2010年12月24日金曜日

工房でゴソゴソ

年末はどことなく気ぜわしい。小学生の頃から欠かしたことがないので、今年も年賀状を作った。この習慣が良いかどうか考えることはある。しかし、どうしてもやめなければならない理由がないのであれば、なんとなくやっている風習や習慣を、やめない方がよいとも考える。一個人が「必要ない」と判断することは簡単だけれど、それが大きな流れで見た場合、大切な意味を持っているかもしれないのだ。とは言え、インクジェットのプリンターは「ブラックがなくなりました」「マゼンダがなくなりました」とウルサイ。

最近、工房でゴソゴソし、2つ改善?をした。ひとつは、エアークリーナーの設置、ふたつめはスポークシェーブ手押鉋のモーター位置変更である。



オフさんの年末セールで安くなっていたエアークリーナー、非力ではあるけれど、木工教室でもあり、サンディングで木屑が舞って空気が悪い時用にと設置してみた。16kgの箱を脚立で持ってあがって天井からぶら下げるのはちょっと恐かった。鎖は4本あるのだけれど、なんとなく不安。そこで、細い角材二本をあとから下にかました。これで大きな揺れが来ても、一気落ちるということはないだろう。運転してみたが、あまり空気が汚れていなかったので、効果はわからなかった。まあ16800円で、少し安心感が得られたかなと、自分を納得させる。



教室では300mmの手押と7万円弱で買ったスポークシェーブの150mmの手押(写真)を使っている。荒削と仕上を使い分けるなど、二台あると便利だし、趣味の木工教室なのでアマチュアでも買うことができる機械を使う意味もある。ところが、ウチのはアタリが悪かったのか、振動が大きくて、これをなんとかしたかった。もともとは木屑排出口の斜め板にぶら下がるようにモーターがついているのだが、これが振動が大きい原因ではないかと考え、写真のように脚部の貫に渡した角材の上にモーターを設置してみた。結果は、振動は半分以下になった。簡単な改良で結果がよく、気持ちよい。


2010年12月16日木曜日

タイヤ交換、喫茶チロル

年末恒例となっている母との墓参りを終え、今日タイヤをスタッドレスに交換した。昨年から再度自力で交換するために道具を揃え、タイヤの置場も扱いやすい場所に変更している。おかげで一時間ほどでスムースに交換が終わり、腰痛の心配もなさそうでやれやれ。最も役に立つのはトルクレンチ。3000円少々の安物だが、柄が長いので、外す時も楽だし、ラチェットで力が入りやすい位置で作業ができるのもありがたい。何より適正トルクに締め付けることができる安心感がある。インパクトドライバーでナットを外すようにソケットレンチアダプタも買ったが、残念ながら外せる力はない。今度ほしいのは油圧ジャッキ。車載ジャッキで車を上げるのが一番しんどかった。

話は変わる。写真は、墓参りの帰りに京都に立ち寄り、ふらっと入った二条城近くの喫茶チロルでいただいた、創業当時から変わらぬお店のマッチ。お店の壁には大正時代の京都の写真が飾ってあり、ご主人が親切で、秘蔵の古い写真を沢山見せていただいた。小さなおもちゃのような市電や、江戸時代のような人が行き交う嵐山の風景などなど。新しいモノにすぐ飛びつかず、古いモノを大切にしてきたのが京都だろう。よそ者には住みにくい閉鎖性もあると聞くが、古いモノが多数残っている京都の街が私は大好きだ。

2010年12月10日金曜日

シャムガキの小キャビネット

木工教室が本業だが、正直なところ、山、旅、食などの話の方が楽しい。しかし、たまには木工の話を。

もう20年近く前の話になるかもしれない。年に何度か東京へ行き、木工の本を仕入れに行ったり、道具屋さんまわりをしたり、新木場のモクモクへ行ったりしていた。そんな頃、同店の端材コーナーで買ったシャムガキの薄板があった。10月末の教室展の前に私自身も何か作ろうと思い、習作として、クレノフ氏の本を参考に”く”の字型に曲がった扉のキャビネットを作っていた。本体はチェリーで、扉の鏡板にそのシャムガキを使った。



今はもっとアッサリした木が好みだが、大きさが適当だったのでこの材を使った。本当に不思議な模様がでる木だ。水墨画のように、墨で書いた森と白い辺材が空のようにも見える。扉は難しかった。曲がった部材は、木目が真っ直ぐに見えるように柾の薄板を外側に貼っている。心配したとおり、接着で少しひねりが出てしまった。それをごまかすべく、鉋で慎重に削って、なんとか扉を本体にあわせ、折り目が通るように削って調整。

遅まきながら、今日一回目のオイルを塗った。なんとなく仏壇風になったが、私なら、もうすこし明るくて開放的な箱の方が好きかも。