2011年12月27日火曜日

村上さんのDVD

「良いお年を」と書いて今年のブログを終わりにしようと思ったのだが、今日注文してあった故村上富朗さんが最後に作ったサックバックチェアの製作過程を収録したDVDが届き、昼食後見て、とても印象深かったので、もう一回だけ今年のブログを書くことにした。

��4分のDVDは、工房へ続く道から始まり、淡々とその製作過程を追ってゆく。工房で流していたと思われるジャスの音楽が静かに流れる他は、村上さんと収録された方の声、それに鉋で削る音など作業音だけ。残念ながら、曲木の過程は出てこない。5月に収録されたということだから亡くなる前一ヶ月半ほど前の映像、当然曲げてから寝かせておくカーブした部材から作る暇はなかったのだろう。元気なご様子で、嫌でも人生は何時終わるかわからないことを痛感する。

驚くのは、そのほとんどの工程が手作業であること。たとえば、楔は薄い板から手鉋で削り出し、それを手鋸で切って作っている。ロクロ、昇降盤、帯鋸、電動ドリル、それらの機械が少し出てくるだけ。ウチの教室の方が、もっと機械に頼っている。手加工にこだわっているわけではなく、それが一脚ずつ一貫生産する村上さんにとって、一番効率がいいのだと思う。これは趣味の木工にも通じる。

正直、生前の村上さんを知らない人にとっては、送料込みで7300円少々は高い。しかし、ほんの二三日だけど、村上さんにお世話になった私には、とても興味深い、手放せないDVDとなった。コピーしたり、貸し出したりする気はないので、興味のある方は下記へ問い合わせてみてください。来年の教室ではこれを見る時間を作るかな。

レミングハウス DVD担当 鈴木桃子
dvd-yoyaku@lemminghouse.com


2011年12月15日木曜日

MACは高い?

値段のことではなく、iMacの高さの話。

パソコンOSは、MSDOS時代の延長線上でWindowsを主に使っているが、二年前くらい前からiMacも個人用に使っている。しかし、メインPCにはなっていない。その理由のひとつが、机の上に置くと高すぎることである。特に自分は老眼鏡を鼻メガネのように使っているので、よけい首を上げる必要があって辛い。それで、なんとか高さを低くできないかとひと工夫してみた。iMacのアルミの足というか台を、机の下に取り付けた板に載せ、天板の後ろからアームが出てくるようにしてみた。


こういうふうに天板の下に4cmのスペーサーをかませて合板を取り付ける。銀色に光っているのがiMacの台。


天板の後ろを少し切り取り、そこからアームを出す。

結果6cm低くなり、前よりはかなり楽になった。しかし、本来はスタンドで高さ調節ができるようにすべきではないか。テレビでも画面の位置は目線より少し下が良いとされているし、実際その方がうんと楽なのだから。外国人の体格に合わせているのかもしれないけど、どうもスタイルを優先しすぎているように思えるなあ。


2011年11月4日金曜日

歳月

東海展に次く教室作品展も終わった。その後の予定行事も終わり、やっと明日から通常のパターンに戻る。ヤレヤレというところ。

作品展の際、天気のいい日は中庭(と言えるほどではない)で空をあおぎながら、仲間とテーブルを囲んでお茶をするのが楽しい。その屋外のテーブルが10年の歳月を経て、朽ち果てていた。ツーバイフォー材17本で作った、簡素なテーブルで、最初は外壁塗料の残り(サドリンクラシック)を塗っていたが、数年経つとカサカサになったので、通販で余った油などを適当に染み込ませたりしていた。そして、ここまで腐食が進んだのは、二年ほど前かな、庭仕事をするヨメサンが夜ナメクジから守るために植木鉢を置きだしてからである。土壌中のセルロースを分解菌が木に移ったのだと思う。とにかく、見てのとおり、急速に分解されて、ボロボロになった。



あまりに見苦しいので、教室展の直前、約一日で同じタイプで新調し、古いのは植木鉢専用になった。今度はできるだけ長持ちするよう、メーカー製屋外用塗料を塗ることにした。ホームセンターで選んだのはニッペのウッディーガード(水性)、ライトオーク色。値段は0.7リットル1980円ぐらいで、そんなに高くはない。塗ってみた感想は、流石にメーカー品という感じ。塗りやすく、垂れにくい。これからは水性塗料の時代だと思う。刷毛の洗浄がメチャ楽。洗った刷毛は、念のため、紙コップに入れた水に一晩漬けておくと、ほとんど刷毛には塗料が残らない。天板上部は3回、その他は二回塗ったが、作品展最終日に降った雨は、玉になって、天板の上に盛り上がっていた。塗りたてだけからかもしれないが、撥水性がすばらしい。室内の木部や木製品の塗装は安全第一だが、屋外の場合は耐腐食性、耐光性、耐水性が大切。自分は自然素材である植物油などを通販しているが、屋外に限ってはメーカー製品の方が適していると思う。



写真の美しさがいつまで保てるだろうか?10年経った時に比べてみたい。それよりこっちの元気の方が先に参ってしまわないようにしないとな。

2011年10月25日火曜日

「木の仕事の会東海展」から「教室作品展へ」

行事や用事は、皮肉にも忙しい時に重なる。半年ほど前、半田市の齋田さんが、東桜会館のキャンセルを見つけ、予約してくれたのがきっかけで、「ひとつだけの家具展」でお気に入りの会場での展示会、「木の仕事の会東海展」に参加できることになった。しかし、次週はウチのメインイベント「教室作品展」があるため、教室を休むわけにはいかず、土日は会場に居ることができなかった。搬出時に聞いたら、適度な人出で、ゆったりした心地よい展示会だったようだ。



私の展示は、運搬しやすい折り畳みの机や棚、四脚重なる定番椅子、そしに新作の箱物などである。折りたたみやスタッキングという機能は、運ぶ時には本当に助かる。その反面、華奢で揺れやすかったりするが、展示用としては最適。毎度のことながら売る気はあまりなくて、特に今回は作品展の案内ハガキを持って帰ってもらえればそれで充分うれしい。自分の展示、シンプルでよかったと思うが、一般の方には、そのコダワリの部分がわかりにくい。会場に居て、話ができなかったのが残念。

昨日、教室作品展の作品をギャラリー清掃のために工房に移動した。その量も内容も、結構すごい。プロの展示会では、作品の半数以上、時には全部、何度か目にした作品であることが多い。今回の私の場合でも新作は二点だけだ。ところが、ところが、である。教室展の場合、100%新作だ。そのうえ、売るためではない作品なので、手間や効率を無視している作品が多く、プロの展示会とは全く違った楽しさがある。

教室作品展は10月28日(金)午後から30日(日)の夕方まで、工房とギャラリーを開放して開催。お時間がとれれば、ぜひ見にください。

2011年10月19日水曜日

ソフトクリーム

英国だったかな、ある木工洋書の中に、日本と西洋の鉋の比較のことが書いてあり、「日本人は、我々の木と比較すると、ソフトクリームのような柔らかい木を削っている」というコメントが日本の鉋の評価に添えられていた記憶がある。



写真は、明後日21日からの「木の仕事展IN東海」で展示する棚の板を、工房の奥の方から探してきたベニマツで作り、削っているところ。KAKI工房の家具を見たことが、本格的家具作りに入ったきっかけでもあり、、アマチュアの頃はよくベニマツを使った。本当に柔らかい木で、マヨネーズのを逆さまにしてトントンしただけで、くっきりと凹みができたりするほどだ。このごろは広葉樹ばかり使っているので、ベニマツは久しぶりだ。そのせいか、この柔らかさは衝撃的だった。棚板裏側を大きく斜面に削っていくのだが、ドローナイフでいとも簡単に、3mmほどの厚さできれいに削ることができる(もちろん逆目はだめ)。柔らかくて軽い木は、売り物にする場合はクレームが恐いが、扱うには気持ちがいい。

「木の仕事展IN東海」は10月21日(金)~23日(日)まで、名古屋市東区の東桜会館で開催。私は21日のみ会場に居ますが、土日は木工教室の仕事で不在。近くへ来られる機会がありましたら、ぜひ見に来てください。秋の気持ちの良い季節、栄NHKの北側の道を東へ10分ほど歩けば東桜会館です。

2011年10月7日金曜日

第八回手考会作品展

第八回手考会作品展初日に行ってきた。久しぶりの東京なので、安いバスと宿を使った一泊も考えたが、展示会前で忙しく「時は金なり」、新幹線日帰りだ。JRのエクスプレスカードを持っているが、年に一回しか使わない。あれば便利だし、国内と海外旅行保険が充実しているので、毎年1000円払いながらキープしている。

東京駅で一番遠い総武線まで歩き、二つ目「馬喰町」駅で下車、東日本橋方面へ約7分歩いて会場へ到着。一年ぶりに懐かしい面々と会う。自分は「ウエーブスルーキャビネット」というのを出品している。一風変わった作品だが、まだ二つほど展示会に出さなければならないので、ここでは未公開。会場の作品は紹介できないけど、去年にシンボルとして作ったという巨大「六本組み木」はかまわないだろう。1mほどの黄檗の角材を組み合わせたもの。普通は長さ10cm程度の角材で作るから、これは約10倍の大きさだ。



午後、会場を抜け出して、最近オープンしたという、AKI-OKA ARTISAN 2k540を見てきた。秋葉原と御徒町の間のJR線の高架下にできた、なんというか、クラフトショップ的なお店を集めた商業施設である。木工、帆布、各地の名産品、ジュエリー、帽子、コーヒー屋、その他、どちらかというと、お店のチョイスはクラフトフェアのイメージに近い。平日ということでさほど混んではいなかったが、ここはうまく行くのだろうか?高架下のスペースの利用で入れ物への投資が少ないから、やっていけるかもしれないなあ。正直なところ、私には”微妙”。

その後、久しぶりに秋葉原を歩くが、もう元無線少年が来るところではない。テレビで見る「ご主人様」ファッションの女の子に呼び込みをされる。「大丈夫?危なそうやで。他の仕事をした方がいいんじゃない?」とオッサンは思う。神田で本屋へ寄り、地下鉄で水天宮まで行き、お土産に人形焼き「板倉屋」の煎餅を買って、会場へ帰った。

午後7時からオープニングのお祝いで、会場でみんなと一緒に美味しいものをつまみながらビールを飲んで、8時50分東京発の新幹線で名古屋へ帰った。やはり日帰りは忙しい。

2011年9月13日火曜日

2011年9月10日土曜日

蛍光灯の故障

工房の12年目となる蛍光灯、蛍光管とグロースターター、両方を交換しても点灯しない故障が初めて発生。ネットで調べてみると、「安定器の寿命は約10年」ということが書いてあり、多分原因はそれだろうと思い込み、アカリセンターというところで、安定器4台で9000円少々を購入した。なぜ4台かというと8400円以上送料無料だったからと、同じ照明器具が20台ほどあるので、無駄にはならないだろうという判断。

ところが、安定器を交換しても、蛍光灯が点かない!。接触不良が考えられるが、コード挿入をやりなおしたり、いろいろさわったけど全くダメ。とりあえず、あまり使わない照明器具と交換して、急場をしのいだが、安定器が原因と思い込んでいたためショックが大きい。あと考えられる原因はソケットの不良だが、分解して壊してしまった場合、交換部品が手に入らない。とりあえず涙をのんで、二本のうち1本しか点灯しない蛍光灯で我慢する。

電気器具というのは10年を境に故障が多くなるそうだ。意外とプラスチック部分の劣化による物理的破損などもこれから多くなりそうで、そうなると照明器具全体を交換した方が安くなる。これからが恐い。

2011年9月8日木曜日

”この子”

先日ある所である催し(内緒話みたいですんません)に参加した時のこと、説明される女性が大切に思われている植物体のことを”この子”と言われた。以前もどこかで女性の方が、大事にされている他の生命体や物質を”この子”を表現されたことがあり、その言葉にずっと違和感を持ち続けていた。今回その違和感が疑問符3つぐらいつくまでに増幅してしまった。

自分なりにその違和感の原因を分析してみた。
��、”この子”というが、言った方の子供ではない。
��、”この子”という言葉から、母親として愛し、制御しているという、思い込みが感じられた。
��、”この子”という言葉自体に、自己満足やカッコ良さを感じているように見えた。

細かい、それも抽象的な話で、何が言いたいのか、読んでいる方にはさっぱりわからないかもしれない。でもネットでちょっと検索してみたら、結構同じことで違和感を感じた方がいるようだ。例えば、靴屋さんの店員さんがお気に入りの靴を「この子はとても良いですよ」と言ったという例や、お堂の観音像を「この子」と呼ばれた例など。「愛情表現としていいじゃないですか」という反論もあったけれど、自分は”この子”発言にはアレルギーがある。

以上どうでもいい話でした。”この子”を使われている方、失礼お許しください。

2011年8月25日木曜日

テント泊

教室の夏休み、だから日頃しにくい遊びをしている。”遊ぶ”というのは、エネルギーが要る。お任せツアーに参加するのではなく主体的に遊ぶのには、計画から準備、決断、そして実行と、結構気合がいるのだ。「よく遊ぶことはよく働くことにつながる」と言われるが、積極的に遊ぶことで生き方もそうなる・・・、そう思いたい。

ヨメさんは、あまり山が好きではない。しかしどこに行くにも、ほとんど二人で行動しているので、山も楽しめるようになってほしい。それで、いきなりハードな山ではなく、観光地に毛の生えたような楽な山遊びから慣れてもらう作戦である。子供が小さい時は、よくテントを担いで山でキャンプをしていたが、大きくなっていっしょに行かなくなってから、キャンプはしなくなった。日本では50代からキャンプ愛好家の数が激減するらしい。それとは逆に欧米では子供が手がかからなくなる60歳ぐらいから、キャンプを楽しむ人が増えるのだという。

写真は昨年買った二人用の小さなテントを持って行った日本の超有名観光地。場所がわかる人は多いのではないだろうか。小さいテントで心配したけど、予想以上によく眠れた。最近の軽量装備なら、総重量10kg以下でテント泊山行きができる。9000円ほども払って、詰め込まれて寝なければならない時の山小屋より、よほど快適だ。もちろん、雨には弱いので、天気をよく見通してから行くようにしている。



二つ目の写真は、とある湖のキャンプ場。20年くらい前に買ったダンロップの5人用だ。オートキャンプ場ではなく、駐車場から荷物を少し運ばねばならないが、こういう昔からのキャンプ場の方がたぶん快適だろう。山でなくても、車で簡単にいける快適なキャンプ場は探せばある。静かでトイレが清潔なのがいい。旅の途中で、急遽テント泊をしたのだが、これも快適だった。不便と引き換えに、夜のうっすら西の空の薄い光が写る湖面、森の夜の静けさ、どんなに高価な宿でも経験することができない。昔はこういう普通のキャンプを敬遠していたが、58歳となり、夫婦でキャンプをしてみて、その楽しさが初めてわかった気がする。



これから、キャンプ+サイクリングとか、キャンプ+山+観光とか、いろいろやってみたい。

2011年8月15日月曜日

ランの館

先日木工教室の暑気払いビアパーティーをした。お盆直前のこと、プライベートな用事で来れない方も多かったが、それでも合計18名集まって名古屋の「ランの館」へ行ってきた。ここはビアガーデンとしては初めての使用だったので心配したけど、ランの館の広い中庭を利用したバーべキューは、雰囲気もあり、ビアガーデンにしては食べ物も結構量があって美味しかった。スタッフが短期アルバイトさん達ばかりなのだろうか、飲み物の注文から出てくるまでの時間等はイマイチだけど、まあこの時期ビアガーデンならどこも同じではないだろうか。栄や大須から近く、普段とちょっと違うムード、ジャスの生歌もあって、穴場かもしれない。

自分はあまりお酒が強くない。缶ビール一本でほぼOK、2本飲むと気分が悪くなったりする。若い頃はあまり飲み会が好きではなかった。しかし、この歳になると、普段話をしたことがない人と話ができることが大変貴重なことに気がつく。特に若い方には、できるだけこういう機会に参加することをおすすめしたい。また、このような会の幹事を経験することも大変よい経験になる。幹事で一番困るのは、出欠がはっきりしないことだろう。幹事をやって楽しいことはまずないが、会への参加の仕方等で”人”が見えてくる。それが役に立つ。

話が脱線したが、一年に一度くらい、気楽な仲間とビアガーデンでぱーっとやるのは楽しい。

2011年8月12日金曜日

ブツブツ

政治の話は苦手だし、ブログで書くほどの知識もない。しかし、最近の報道を見ていていると?を感じることが多い。

テレビのニュース等では、ある時点(6月下旬頃か)から脱原発路線への批判を急に弱めたように感じる。また”菅おろし”の声も少なくなった。そして今ポスト菅が話題の中心となり、2日ほど前のNHKでは聴視者へのアンケート結果として、次期首相候補として一番ふさわしい人として、たった5%しか得票がないのにM氏の名前を挙げていた。どういう方法でどのような質問をしたのかもはっきりしないまま、具体的に有力首相候補として特定の名前を出すのは、NHKが世論をそのように誘導しようとしている、あるいはそれが既成事実であるというようなイメージ作りを意図していると考えるのは、行きすぎだろうか。また、ネット上の政治関係のブログでも、評論家が微妙に原発に対する意見を変えてきていると感じることも多い。中国の報道統制を批判するのは簡単だが、日本での報道へのどこかからの圧力があるのを読みとるのは難しい。

自分は原発反対だが、誰もが納得しやすい「脱原発」という言葉を利用して、さまざまな団体がその動きを純粋な目的以外に利用しようとしているのは怖い。今思えば、原発事故直後の東京の計画停電、あれは本当に必要だったのだろうか?いろいろ疑問はあるが、憶測だけでものを言うのは避けたい。いっそこの際、菅さんに”解散”をしてもらい、総選挙をしてはどうだろうか。

2011年6月17日金曜日

卒業式旅行

先週名古屋で四回目となる「木の家具40人展」が行われ、悲願の新聞記事掲載により大盛会に終わったらしい。実行委員の皆さんはじめ、参加者の皆様、関係者の皆様、おめでとうございます。自分は今回参加できなかったが、ちょっと寂しい。

実は米国西海岸の大学で建築を学んでいた娘の卒業式が6月11日にあり、一年前からそれに参加するため、「40人展」の週にアメリカ旅行をすることが決まっていた。昨日関空に降り立ち、時差でフラフラのところを、3時間軽自動車を運転し、家に帰ってきた。その旅のことは、後日ホームページに簡単に紹介する予定。

写真は大学内にあるアメフトスタジアムで行われた卒業式のひとコマ。とにかく、家族総出で声を出し、盛り上がるのがあちらの流儀らしい。私達夫婦も、約一週間仕事をほっぽりだして参加してきた次第。

2011年6月6日月曜日

ウソはあかん

今度の政局ドタバタ劇、見るのも書くのも嫌になる。なぜ嫌になるかと考えてみると、その根は全て”ウソ”から来ているのではないか。

事故直後の東電の発表、政府の放射能についての数値、東電の計画停電の実態等、原発事故関連の発表については「実際のところはどうなんや」と思ってしまうことが実に多かった。今度のドタバタ劇も、本当のところの菅おろしの目的についても、どうもよくわからない。そして内閣不信任否決に至る、超ドタバタ舞台裏暗躍劇だ。今となっては怒って賛成票を投じた松木さんがまともに見える。ウソはいずればれる。一度ウソとつくと、イソップ物語ではないが、本当の事を言っても、信用されなくなる。事故直後の数字等については、パニックを恐れての隠蔽やウソがあったかもしれない。それならそうと、発表してよい時点で、真実を公表するべきだと思う。

と、簡単に文句は言えるが、ひるがえって自分はどうなのか。ウソも方便という言葉もあるが、基本、やっぱりウソはあかんと思う。単なる口から出るウソだけではなく、研修生を実質は安価な労働力として受け入れる工房もある意味ダマシだし、「無垢の家具は文句なしにすばらしい」というのも一部ウソが入る。約束の場所にいけない口実に親戚の不幸や仮病を使うのはもちろん、自分を良く見せようとするのも一種のウソだ。急な事でドタキャンも仕方がないことはあるだろう、しかし度重なるとウソではないかと人は思う。要するにウソはいつかばれる。そして、信頼を著しく損なうことになる。

なかなか難しいことだけだけれど、「正直が一番」。正直な話は聞いていて気持ちがいい。逆に、見え見えのウソを3回もつけば、相手にされなくなって孤独になれるから、縁を切りたい場合の対処方法としてはいいかもしれない。

2011年5月27日金曜日

関ヶ原からの中山道

二週間に一回は自転車を車に積んで少し遠出をしている。昨日は家から約1時間の関ヶ原ICを下り、関ヶ原歴史民族資料館に立ち寄り、そこに車を置いて旧中山道を醒ヶ井宿まで往復してきた。それほど期待せずに出かけたのだが、予想は良い方に裏切られ、とてもいい自転車小旅行ができた。歴史に疎く、今まで意識してなかったが、中山道は東海道よりももっと歴史があるのだ。関ヶ原宿、今須宿、柏原宿、醒ヶ井宿、整備された旧道であり生活道路が続く。適度に登り下りもあり、折り返し点の醒ヶ井では綺麗な清流を見て、観光気分になった。飲食店がほとんど皆無だったことや、日本初の高速道路である名神高速道路が、古い神社や歴史のある地形をいくつも遠慮なく貫通しているのにも驚いた。

写真は旧中山道の楓並木

2011年5月12日木曜日

鉄のフライパン

毎日のように使っているテフロン加工のフライパンだが、どうも寿命が短い。そのことに嫌気がさしていたこともあり、以前奈良近郊に住んでいたときに使っていたプロ用の鉄製フライパンを引っ張り出して来て使ってみた。



そしたら全然味が違う。鮭のムニエルでも、ポークソテーでも、焼け方が違う、こうばしい、美味しい。使っていたものなので油が馴染んでいるのか、焦げ付きもあまりない。テフロンがハゲてきたヤツより、鉄の方が断然使いやすい。二晩調理に使っただけだが、テフロン加工には戻れない。もっとも、油が必要なので摂取カロリーは増えるかも。これは直径28cmと大きめなので、もう一つ20cmほどの小さめの鉄製フライパンがほしくなった。

2011年4月20日水曜日

クラフトフェア

モノだけ出品していた美濃国池田クラフトフェアが終わり、教室の卒業生であり木工仲間の「楽木屋」さんが作品を持って来てくれた。写真も撮っていただいたようで、それを見るとなかなか美しく展示していただいていて、感謝々。



昔は丹波や舞鶴に結構参加していたが、今回久しぶりのクラフトフェアである。売れることは全く期待していなかったが、若い女性が二人バターナイフを買ってくれたらしく、たった1600円の売上ではあるが、率直に嬉しい。

クラフトフェアというのは、”立つ”位置が難しい。場所ではない、コンセプトの問題だ。1000円以下の手軽に買えるものが売れることは間違いない。以前参加してクラフトフェアでは、海外から輸入した木工小物に穴をあけて色をつけただけの500円のキーホルダーでほとんど売上をとっている人もいた。だから、どうしても500円でも利益がでるように作るようになる。しかし、そんな小物ばかり並んでいるクラフトフェアは、面白くない。かと言って、手間を考えれば10万円以上するような手の込んだ椅子を並べても売れるはずはなく、野外であれば、傷もつきやすい。

やっぱり、クラフトフェアは、「売るのは二の次」で参加するのが正解だ。売れなくてもいいから、「オモロイもの」「見たこともないモノ」「誰でもできそうで、できないもの」なんかが並んでいると楽しい。そんな”ヘンテコ”なモノを作って、どこかのクラフトフェアに出てみようかな。

2011年4月14日木曜日

池田町へ

今週末の16、17日、岐阜県揖斐郡池田町で行われる「美濃国池田山麓クラフト展」の会場を見てきた。土日は本業で動けないので毎回モノだけ参加している。今回も小物を出品させていただいているけど、一度会場の雰囲気を見ておきたかったのだ。桜も遅めなので、散り始めの桜を楽しむこともできるだろう。

名神大垣ICからかなり走って行き着いた池田町は、山裾にある落ち着いた佇まいの村だった。その中に熊野神社があり、参道の中ほどに昭和初期に建てられた田舎の雑貨屋さん「土川商店」があって、ここは時間が止まったような空間である。その二階で木工仲間達が「木の小物」をテーマに展示販売をする。私は不在ですが、よかったら、見に来てください。


クラフト展は、熊野神社の境内や周辺で行われるとのこと。今日は桜吹雪の舞う、絶好の花見日和だった。例年は桜のシーズンは終わっており、今年のような桜の舞い散る中の準備は初めてだそうだ。


境内の右手奥の森の中に、写真のようなデッカイ将棋の駒が立っていた。「歩寄」か・・・。そうや、「今は歩み寄ることが大切や」と、首相を責めてばかりいないで、今は敵も見方もなく、協力してやってほしい。原発だって、それを推進してきた連中の尻拭いを今の政府がやっているんだから、最大限の努力をするのは当然ではないだろうか。



偶然お会いした実行委員の女性の方から、近くの「弓削寺から池田温泉までの道の桜が美しいですよ」とお聞きした。谷汲山へ足を延ばした後、池田温泉でヌルヌルのお湯につかって帰路についた。

2011年4月5日火曜日

水道栓カートリッジ交換

最も使用頻度が高い台所の水道栓(TOTO製、水と湯の混合タイプ)の調子が半年ほど前からよくなかった。水漏れがあったので、3ヶ月ほど前に首振りのところのゴムパッキンを交換した。しかし、この頃、水を止めるレバーの動きが渋い。調べてみると中のカートリッジの寿命は数年だそうで、ウチのは10年以上使っているわけだから、交換した方がいいに決まっている。

TOTOの部品を扱っている店を同社のHPから見つけ、交換用カートリッジを購入。なんと6400円+税で6720円もした。せいぜい2000円ぐらいのモノだ。しかし、よく考えてみると、10年以上前の製品の交換用部品が、家から30分ほどの販売店で、すぐ入手できるということはスゴイことだ。今月のHPでも書いているが、昨年末に買った集塵機が半年も経たない内に販売中止になっているのに比べ、この安心感はどうだ。取扱説明書を見ながらカートリッジを交換し、驚くほどスムースに軽く、水が確実に止まるようになった。水道屋さんに来てもらったら、15000円ぐらいかかるのではないかな。

こういう販売代理店を経由する商売では、末端の消費者はかなり高価な買い物をすることになる。しかし、それは長期間の保障が得られることにもなる。海外製の安い製品の場合には、こうはいかないだろう。どっちがいいのか一概に言えないが、サイフにはきびしいくても、安心感の方がありがたい気がする。

写真はこのことと関係なく、散歩に立ち寄った落合公園の桜の様子。満開まであと少しだ。

2011年3月20日日曜日

製作中の板「水難」その後

大地震と津波から一週間と二日過ぎた。発生から数日間、テレビから絶え間なく流れる今まで見た事がないような惨状にただ呆然とするだけだった。しかし、昨日ごろから、やや落ち着いた報道になり、ブログも平常にもどすことにする。軽い話題や笑い話も、こんな時には気分転換に役立つかも。

2月28日のブログである生徒さんのブナの板が水につかって、とんでもなく反ってしまった話を書いた。その後日談。
その生徒さんが昨日やってこられた。「少し乾かしすぎました」というのだ。2cmほども反っていた板が、数日で反りがもどり、そのあとゆっくりと縮んで、水没前よりも2mm縮んでいた。要するに、水没前の幅450mmのブナの剥ぎ合わせた板が、水没後460mmになり、強烈に反った。それが、3週間後ほぼ平らになり、幅448mmになった。

ブナの人工乾燥材が、水を吸って2%伸び、またもとにもどって、元の幅の99.5%に縮んだわけで、知識としてではなく、目の前でこの動きを実感できたのは良かった。失敗から学ぶことの方が上手く行った時よりも大きい。無垢の板のキャビネット等を作る時、木の動きを十分予想した設計が必要だという鉄則である。

2011年2月28日月曜日

水難続く

先日椅子の脚が水を吸って大きなワレが生じたトラブルがあったが、同じ水によるトラブルの二件目が発生した。



上の写真はある生徒さんが作っているキャビネットの板である。彼はジウジアーロデザインの往年の銘車に乗っているのだが、雨漏りがするらしく、はぎ合わせたブナの板を車に置いた際、その水に接してしまったらしいのだ。信じられないほどの反りが出ている。大きいところでは2cmほども反っているし、板の幅も乾燥時は45cmだったのに、1cm伸びて46cmになっていた。とりあえず、乾燥し、動きが落ち着くまで、加工は控えることにしたが、元通りに戻ると考えるのは、なかなか苦しい。

先日教室で「含水率と木の動き」について話をした。乾燥材でも幅方向で2%程度は動きがあるなどと話したが、実際にこれほどの動きを見せられると、恐ろしい。木材や作品の保管には充分ご注意ください。

2011年2月19日土曜日

手作りの自由

スウェーデンの友人から紹介のあった青年が土曜の教室を見学にやってきた。ハンドクラフト全般に興味がある大学生で、半年間日本語を学んでいるという。背負って来たリュックには、彼が作ったという道具類や作品がいっぱい入っていた。



写真は木工用の物だけ。他にも動物の骨を削って作った針、それを使って編んだ毛糸のスリッパ、肩から下げていたショルダーバッグもすべて手作りだ。刃物もすべて自分でスウェーデン鋼を軟鉄でサンドイッチにしたものという(中央のチップカービングナイフはスイス製)。白樺で作ったバターナイフの塗装は何かと質問したら、「白樺の皮のタール分」という答えだった。

自分は多少なりとも木工の知識がある。それが自由な発想を妨げている部分があるかもしれない。決して洗練されたデザインや技術ではないけれど、味のある道具類や作品を見て、教室でももっと自由な発想、先入観や潜在的意識にとらわれない創作をしてもらうようにしたいと思った。

2011年2月7日月曜日

おのぼりさん

知人からテオ・ヤンセン展のことを聞いた。塩ビパイプで作った巨大なオブジェというかアニマルが浜辺を風の力で歩くらしい・・・。よくわからないけど、「見たい」。またも車で東京へ。

名古屋から東名経由、休憩込みで5時間でお台場の日本科学未来館へ。寒い冬だが、タイミングよく暖かくなってありがたい。富士山も超キレイに見えた。で、肝心のテオ・ヤンセン展だが、同行パートナーは「感動なし」。私は物理が好きなこともあって、結構面白かった。けれど実演の際、解説の女性が、ビーチアニマルを「この子」と呼んだ瞬間、冷めた。そういうノリは必要ない。

あとは、都内を見たり、自転車を走らしたり。初めて見た実際のスカイツリーはかなりの迫力。このような建造物が、東京の下町にできたことがよい。巨大資本がここに大きなショッピングセンターを作ったりしないでほしい。東京の魅力は、このような下町によるところが大きいと思う。



お世話になっている刃物屋さんへ顔を出す。お店は下町にあって、そこからもスカイツリーが見える。名古屋にも下町はあるのだろうけど、よく知らない。巨大なショッピングセンターを作り続けている大手スーパーによって、下町商店街がどんどんなくなっている。近い将来、「残しておいたら良かった」と思うだろうが、その時は手遅れ。同様に、日本の伝統刃物や大工道具の文化も伝えていかないといけない。木工教室も少しはそのお役に立てるかな?

2011年1月28日金曜日

雪国の湖西へ

友人の家具工房「榎栞」さんが、もうすぐ移転される琵琶湖西岸の高島市で28日(金)~30日(日)の3日間行われる風と土の交藝に参加されるのをブログで知り、「こんな人の来にくい寒い時に行われる催しって面白いのでは」と思い、教室がない28日にカミさんと行ってきた。

例年にない大雪の今冬のこと、雪道に期待と心配が混じりつつ出発。北陸道「木本IC」までは全く問題なく、そこからの一般道は雪の壁の中、しょぼつく雪の中を、でも順調に雪国の高島市内へ。カーナビだよりで、少し迷いながらも、無事「榎栞」新工房の前に着いた。その時の写真がコレ。広い工房には立派な機械が多数並び、工房が動き出すのを待ちかまえているようだった。これからが楽しみだ、いいなあ。



予期せぬ我々の突然の訪問に、奥様ともども、チョー感激していただき、来てよかった。この雪の中、平日でもあり、来る人は限られているだろう。それだけに、どの展示場もゆったり、のんびり、工房主の話を聞くことができ、とてもよかった。お昼に行ったうどん屋さんは、大阪の方が金土日の3日間だけ開けられるうどん屋さんで、素朴で美味しいさぬきうどんだった。それから、木工のご夫婦、金工と陶芸のご夫婦などの工房・展示場を見学させていただいた。

明日から教室でもあり、今日は早めに帰ることにする。同じ道は面白くないので、帰りは朽木村から鯖街道を通って、京都市内を経由して帰ることに。途中南禅寺の近くで偶然入った小さな喫茶店は、若い店主が北欧雑貨を集めている、なかなか興味深い店だった。こういう発見があるから、京都はやっぱり楽しい。あとはいつもどおり京都東ICから新名神を通って、夜7時前には帰り着いた。9年目のスタッドレスが充分役に立つことが証明できたこともよかったなあ。

2011年1月26日水曜日

通販資材の仕入

植物性乾性油などの通販を、細々ではあるが、ずっと続けている。一年に一度くらい容器を仕入れに行く、それが今日だった。最初の頃は、缶工場で直接買ったり、塗料卸の店で買ったりしていたけれど、今は容器の専門問屋さんに買いに行っている。問屋さんというのは、個人には敷居が高いと思ってしまうけど、ある程度まとまった数の購入であれば、誰でもOKのところがほとんどだ。もちろん、お互いを尊重するなど、大人として、また専門職としての気配りは必要だが、一度関係ができてしまうと、個人様相手の商売より、心地よい付き合いになるように思う。

ウチには木工家御用達のハイエースはなく、いつもトラヴィックで買いに行く。スバルが短期間販売していたオペルのミニバンで、現在は入手できないが、走行性能も使い勝手もとても気に入っている。後部座席を前にスライドすると、写真のとおり、計150缶を入れてもまだまだ余裕がある。ハイエースもほしいけど、年に数えるほどしか、必要な時はなさそう。「その時はレンタカーを使うのが一番」と、自分を納得させている。


油の通販も下火かと思うと、注文が多かったりする。今は木工が半分、建築が半分ではないだろうか。新築された家の床を、施主さん自ら、天然オイルを塗ったりされることが多いようだ。ネット時代だから、「昨日、Mさんから通販で植物油を買って、それを自分で床に塗りました」というようなことをブログで紹介されると、連鎖反応で、同じオイルの注文が続いたりする。従来の口コミではなく、インターネットでの情報の連鎖というのは、ワッと来て、スッと終わる。だから、よりいっそう、問屋さんのように、顔と顔の関係が大事に思えてくる。

2011年1月17日月曜日

大雪で臨時休講

木工教室を始めて今年で12年目、今まで天候で休んだことは一日もなかった。けれど、昨日からの大雪で、本日初めて休講。必要な連絡を終え、パソコンの前でゆっくりしている。



昨夜の時点では、今日は朝から晴れと思い込んでいたのに、17日10時の時点でまだ雪が降っている。休講にしたので、晴れでない方が自分の判断に納得できてよいかな。でもそろそろ止んでほしい。屋根の雪が落ちて雨どいが壊れたりするのが恐い。名古屋高速の雪に弱いこと甚だしく、ずっと通行止め。湾岸道も知多半島道路も通行止めだという。東海地方に来られる方は、充分ご注意ください。

昨日までYahooの天気予報をよく見ていた。同サイトの昨日の天気予報は”晴”だったのに、気象庁や他の天気予報サイトは雪。昨日午後3時ごろから雪が激しくなり夜まで降り続いたのに、Yahooの天気予報は”晴”のままだった。天気予報に関しては、Yahooの信用ガタ落ちである。

そろそろ、材木置場の屋根の雪下ろしてでもするか・・・。

2011年1月4日火曜日

2011年スタート

謹賀新年、今年もよろしくお願いします。

上記年始の定番挨拶文、誰によろしくと言っているかよくわからないようで、意味するところは意外に深いかもしれない。勝手な拡大解釈だが、「よろしく」の相手は自分と関係のある人達であり、世の中であり、天候や自然であり、神様も含まれる?。あまり親しくない人へ出す年賀状に「今年もよろしくお願いします」と書くのは不自然だと感じてきたけど、平穏や健康安泰を願う一文と考えれば、それでいいと納得する。



写真は神戸の実家へ行く途中、新名神「土山」付近の雪景色。朝日をあびた白い山の風景で、元旦にふさわしいすがすがしい気持ちになった。今年は子供達が名実ともに自立できそうな年であり、私達も含め、新しい人生への出発点になりそうな気がする。どうか、よい年でありますように。