2011年3月20日日曜日

製作中の板「水難」その後

大地震と津波から一週間と二日過ぎた。発生から数日間、テレビから絶え間なく流れる今まで見た事がないような惨状にただ呆然とするだけだった。しかし、昨日ごろから、やや落ち着いた報道になり、ブログも平常にもどすことにする。軽い話題や笑い話も、こんな時には気分転換に役立つかも。

2月28日のブログである生徒さんのブナの板が水につかって、とんでもなく反ってしまった話を書いた。その後日談。
その生徒さんが昨日やってこられた。「少し乾かしすぎました」というのだ。2cmほども反っていた板が、数日で反りがもどり、そのあとゆっくりと縮んで、水没前よりも2mm縮んでいた。要するに、水没前の幅450mmのブナの剥ぎ合わせた板が、水没後460mmになり、強烈に反った。それが、3週間後ほぼ平らになり、幅448mmになった。

ブナの人工乾燥材が、水を吸って2%伸び、またもとにもどって、元の幅の99.5%に縮んだわけで、知識としてではなく、目の前でこの動きを実感できたのは良かった。失敗から学ぶことの方が上手く行った時よりも大きい。無垢の板のキャビネット等を作る時、木の動きを十分予想した設計が必要だという鉄則である。