2012年8月26日日曜日

送り火

��0日ほど前の話ではあるが、関西に長い間住んでいながら一度も見たことがなかった京都五山の送り火を、日帰りながら、初めて見てきた。お盆の15日には、よく西尾の花火大会に行くのだが、今年は豪雨で中止となったこともあり、お盆らしい気分に浸りたかったこともある。

朝自宅を出たので京都には昼前に着いてしまった。正直夜までは長かったが、京都の町は、それでもなんとなく時間をつぶすことができる魅力がある。夕方「イノダコーヒー」でヒレカツサンドとコーヒーのセットを久しぶりに食べるが、やっぱり美味しい。そして地下鉄で鞍馬口へ向かい、東へ10分ほど歩いて加茂川の河川敷へ行く。船岡山が多くの送り火が見えるスポットらしいが、河原でのんびりできそうだし、大文字を正面から見るこの場所に決めた。芝生には、若いカップルはもちろん近所の中年夫婦が寝ッ転がっていたり、大学生らしい若者のグループなどが石垣に座っていたり。私達も花壇の石垣に座って陣取り、8時の点火を待った。

辺りが暗くなった頃には、結構まわりに人がやってくる。大部分は地元の人達だと思う。お祭りにつき物の、たこ焼きやリンゴ飴などの屋台は・・・、全くない。静かに夜がふけ、やがて、大の字の中心の交点あたりで火がついたと思うと、すぐに字の先まで火が点火され、煙が炎を隠したりしたが、やがて右へ習字で書いたように流れる「大」の字が、くっきり夜空に輝いた。「あの字の形がええなあ!。ここが一番カッコ良く見える」と独り言を言ったら、となりに座っていた同年輩夫婦のオッサンが「ここが最高ですわ」と相槌を打ってきた。花火のような派手な音もなく、夜店もなく、ただ京都の人が16日の夜に外に出て、夜空に浮かぶ「大」の文字を見て、「きれいなあ」とか、「今年もお盆が終わったなあ」とか、しみじみ思う・・・のだろう。自分もこの静かな送り火に、なんとも言えない郷愁を感じ、来て良かったと思った。



名古屋まで帰らねばならないので、午後9時前には地下鉄に乗り、車のところへ向かった。それからが大変だった。京都東ICまで渋滞し、名神に入ってからもUターン渋滞に巻き込まれ、帰り着いたのは午前様。今度見に行く時は、京都で宿を確保して行きたい。

2012年8月8日水曜日

檜枝岐の歌舞伎小屋

テレビがオリンピックの話題で大半を占められる中、民主・自民・公明の一握りの政治家が密談、日本の一大事を決めている。それに対し、何もできない自分が情けない。小言を言っていてもしかたがないが・・・。

尾瀬の北側に檜枝岐(ひのえまた)村がある。学生時代に会津方面の山に行った帰りだったか、立ち寄った記憶がある。川で中学生が飛び込んだりして遊んでいるノドカな風景が印象的だった。最近有名になっている、檜枝岐で年に何度か行われるという歌舞伎小屋を見てきた。なんとも素朴な小屋で、その前に山の斜面を利用した石積みの階段状観客席(最大1200名収容できるらしい)が見事に配置されていた。こんな山奥の村、そこに損得ではない、古人達の純粋なエネルギーを見た。政治家の皆さん、見習ってほしい。