2014年7月21日月曜日

椅子の修理

 何年前に作ったか忘れてしまったが、教室の休憩室でハードに使われている椅子が前々からホゾが緩んでユラユラしていた。昨日それを分解、接着しなおした。

 椅子は時には100キロ以上の圧力がかかる。そのうえ床には凸凹があって5mmくらい段差があるのはごく普通。 だから、椅子はそれに耐えられる強度を持っているか、あるいは段差に応じて変形する柔軟性を持たせる必要がある。この椅子を作ったころは単に充分な強度だけを考えていた。だから時間が経過し接着剤がやせて緩んでグラグラするのは当然で、グラグラすることで逆に壊れずにすんだとも言える。ホゾ組は緩んでからも構造を保つ力がある。ダボだとゆるんだら壊れる。 この椅子は緩みやすいホゾに6mmの丸棒で込栓を入れていたので、グラグラしつつも長年使えたのだろう。


 古いボンドを適当にヤスリなどで落とし、今回はタイトボンドⅢで接着してみた。充填性や実績を考えるとピーアイボンドを使いたいところだが、二液性は手間がかかるし、タイトボンドⅢの強さも試してみたい。




 斜めのホゾはクランプをかけるにもひと手間かかる。角度に応じた当木を作って、ホゾがちょい複雑なので今回は一度に組み上げた。

 最後に座板を元通りにする。無垢の幅広い座板は金属コマで留めていたが、それを取り付ける際、木ネジの穴が金属コマの長穴の端に来ているのに気がついた。長年の間に5mm以上縮んだことになる。


これであと何年緩まずに使えるだろうか?

2014年7月15日火曜日

木工教室ミーティング資料

2000年1月に木工教室をスタートした。その後、作るだけではなく、2003年11月からは毎回15分程度のミーティングを行い、その都度私が必要だと感じている木工に関する知識や注意事項をA4一枚にまとめて、ミニ講義をしている。ある生徒さんがそれを簡易製本したのを昨日見せてくれた。月二枚、夏休みがあるから一年で22枚、10年だと220枚の立派な本である。


私自身はパソコンの中にそれらの文書・資料を保管してあるだけで、”本”になったのを見たのは初めてである。内容別に分類してあり、めくってみると、確かに自分が書いた資料が並んでいる。木工関係の蔵書からコピーをしたりネットから資料をピックアップしたりはしているが、基本は自分の考え方を大切にしている。こうした蓄積を具体的な形として見ると感慨深いものがあった。


刃物の研ぎなど、本のような知識で伝わるものではない。また木工初心者の方が切削理論の話をを聞いても理解できないだろう。それでも、いつか「こういうことだったのか」と思ってもらえればと思いながら、これからも続けていきたい。

2014年7月12日土曜日

ウソはあかん

”ウソ”は信用をなくす。木も人間も、そして政治家も。

昨日夕食の時に箸を噛んでしまい、先端が折れた。その折れた面が斜めになっているので、よく見てみると、外観は黒檀だが中が白い!そのうえ、斜めに折れるということは、目切れしているわけで、木の使い方が極めてズサン。これに比べ本物の黒檀の端は、20年以上使っているが、実に丈夫。

捨てる前に折ってみたのが次の写真


材は緻密な南洋材だろうが、これだけ木目が斜めに走っていたら(目切れしている)、折れるわなあ。木目のことに注意を払わず、ザザッと切って、サンダーで削り、塗料にドブ漬けして作られたものと思う。

いったい何で黒い色を付けたのやろ?。長年の間、着色剤がすこしずつ口に入っていたと思うと、気持ち悪い。基本塗りの箸は嫌いで、黒檀や山桜を削って作った無塗装の箸を好んで使っている。すぐ汚れるけど、その方が貫禄があるし、安全や。

2014年7月4日金曜日

LAに行ってきました

いずれ旅行記をまとめるつもりですが、一足先にホームページ「月刊記事」にロス中心部から車で1時間ほどのところにある、サムマルーフ氏の家の見学ツアーに参加した時のレポートを書きましたので、ご興味のある方は見てください。

さて、

今度の旅は私的な行事がほとんどで観光旅行ではなかった。その分、現地の人の生活そのものを見る機会は多かった。LA(ロサンゼルス)は、完全に車社会で、大都会ではあるが、西部劇に出てくる街をそのまま大きくしたようなところもある。地域によって雰囲気(治安も)がガラッと変わり、多様な人種を抱えるアメリカを実感する。

写真はホテルの近所を散歩した時に歩道にあった、自転車をとめるスタンド。