2014年10月30日木曜日

作品展直前

毎年のことながら、作品展前は忙しい。昨日の中日新聞朝刊、展示会案内欄で一番目に掲載されたので、例年よりも新聞を見て来られる方が多いかもしれない。あとは好天を祈るばかり。

ぞくぞく作品が集まっている。今年は総数117点の予定。明日10月31日午後から2日(日)夕方まで、宮本家具工房にて開催。気軽に見に来てください。

2014年10月17日金曜日

スペインから

二か月ほど前、スペインの方から日本に行った際に木工の基礎を習いたいというメールが来ていた。正直なところ、「本当に来るかな?」と思いながらも、一日鉋講習の準備を進めていた。今日その人がやってきたが、初めのメールでは男性だと思っていたが女性だった。

日本好きで12回くらい日本に来ているらしい。お仕事は建築、特に博物館の内装などをしているとのこと。今回は3カ月の長期滞在で、WWOOFという国際的プログラムを利用して滞在されるらしい。WWOOFというのはWorld Wide Opportunities on Organic Farms,「世界に広がる有機農場での機会」の頭文字で、農場などで無報酬で働く代わりに宿舎と食事が提供されるという、若い人が外国に出向く時にはとても役に立ちそうなプログラムである。若い時にこのようなシステムがあれば、ぜひ利用したいと思っただろう。

彼女は下呂に一カ月ほど労働力を提供しながら滞在、そして今日私の教室に来て、来週は愛知県南部の西尾市にある農場やショップに行くという。下呂では辺鄙な山中の施設に滞在、稲ワラを束ねる作業などを85才のおばあさんに習ったりしたそうだ。ある部分、日本人より日本のことを知っている。

今日はマンツーマンで鉋とノミの研ぎ、組手加工の初歩を教えた。遠いスペインから、受講料と鉋代を支払ってもウチに来てくれたことに感謝。明日は通常の生徒さん達と共に、組手加工の続きを実習してもらう予定。

2014年10月10日金曜日

行事は重なる

不思議と行事は重なる。今週は火曜日夜に森林文化アカデミーでオーストラリアで木工学校を営む方の講演会があり、昨日は東京での「手考会」の展示会へ行き、そして今日の午後は蒲郡で精密な木製小箱の製作で世界的に有名な丹野さんの講習会がある。どうしてか知らないが、行事というのは重なるものらしい。

オーストラリアの方の講演は、同じく木工教室をやっている私には共感できる部分が多くて楽しかった。たとえばアリ加工や手で沢山のスポークを削りだす意味について、作業に無心で没頭できたり、木との対話ができることに意味があるとの答え。まったく同感だ。学校の技術スタッフについても 「スキル(腕)とコミュニ―ション能力の両方が備わっていることが必要で、腕だけの人はお断り」というのも「そのとおり!」と思ってしまった。

手考会は、伝統的な手道具を使っての緻密な作業の結果生まれた作品が多数展示されていたり、さまざまな樹種の板を削った見本が展示されていて、興味深いものがあった。

実は午前中一度行ってみたかった、柴又帝釈天に行ってきた。寅さんのイメージしか頭になかったのだが、予想以上に大変立派で、特に本堂奥の木彫展示と回廊でめぐる庭園はすばらしかった。
 参道の偶然入ったお店で、ノリのかかった団子とトコロテンを食べる。これがうまかった。このお店、映画では寅さんの実家の設定で、中に座って通りを見ると、まさに映画の雰囲気。寅さんファンではないが、とっても心やすらぐ場所であることは間違いない。


帰りの新幹線で久々にシュウマイを食べたら、陶器の醤油入れが復活していて、うれしかった。

2014年10月1日水曜日

白草山

月に一度は今まで登ったことがない、日帰り可能な山に行っている。未知の場所を歩く時の軽い探検気分が好きだ。

今日は白草山に一人で登ってきた。よさそうな山を探していて偶然見つけた山だが、実は「南飛騨で人気ナンバー1」の山らしい。岐阜県と長野県の県境にあり、御嶽山の南西に位置している。 林道を30分くらい歩いてから山道に入る。道の切り方が上手いのか、かなりの急斜面にしては疲労感が少ない。尾根に出てところどこど赤くなった木を見ながら、主稜線の分岐に着き、そこからは南へクマザサの茂る台地のような道を歩いて頂上到着。

頂上からは御嶽山の見事な山体が目の前に見える。別天地のような美しいクマザサの山頂から、悲惨な噴火による遭難が起こっている山を見て、何と表現したらよいか、不思議な気持ちがした。山の遭難は登る人に起因する部分が大きいと思うが、今回の御嶽山の遭難に限っては100%天災だと思う。20歳のころから、何度も登ったり、スキーをしたり、また学生時代には先輩や後輩の遭難もあった縁の深い山だ。それだけに他人事とは思えない。