2017年3月24日金曜日

温泉治療の今昔

先日ある温泉を再訪しました。山奥の携帯電話も通じない温泉の一軒宿で、とてもやさしい硫黄泉で大好きです。

ここは男女別の内湯と混浴の露天の他、男女別の治療泉があるのです。宿の方に「治療泉に入ってもいいのですか?」と尋ねると「ダメです」との返事。明治の頃、らい病が治るということで大勢の患者さんが来て治療し、昭和の戦後は疥癬に効くということでとても賑わい、今はアトピーの方が来られたりするとのこと。皮膚病患者さんは肌を見られたくないし、一般客がびっくりしクレームになることもあるため、治療泉と一般向けは区別しているとのことでした。ただ、最近の温泉ブームでグループで来た人が勝手に入ったりするので、医療も発達した現在、治療泉をやめて内湯を拡張しようか思案しているともおっしゃってました。

ここに限らず、たとえば有名な草津温泉も同じような歴史があったようですし、おそらく日本の温泉の多くは湯治の場として出発したのだと思います。そんな歴史も知らずに今まで温泉を楽しんでいたことを考えさせられました。

0 件のコメント:

コメントを投稿

(迷惑な広告などを防ぐため、確認後掲載しています。ご了解ください。)