2018年4月25日水曜日

桂離宮

4月は私的行事でなにかと忙しい。久しぶりに娘が帰国したので、同じく建築の仕事をしている友人と私達夫婦で京都へ行った。何度も通っている京都だが桂離宮は初めて。予約制。ホームページ上で予約できなくても、往復ハガキだと簡単に予約できるようだ。

雨上がりの朝ツツジなどが咲きはじめ、とても美しい。皇室関連施設独特の雰囲気と厳重な警備ではあるが、無料で見ることができるのは嬉しい。 約1時間ガイドの方と警備の方に見守られながら庭園を歩き、いくつかの茶室や建物を見て回る。

来るまでは建物が主だと勘違いしていた。来てみて桂離宮は庭園が主で建物が従な感じ。ところどころの休憩所など、コルク質の細い木をそのまま組み合わせて屋根を支えているが、流石にスキマがほとんどない。
この日は東山の京町家の宿から自転車で桂離宮まで行き、その後嵐山で外国人観光客の多さに疲れながら自転車で街中へ戻ったのだが、桂離宮の静かさ美しさはとても印象的だった。

2018年4月6日金曜日

古い整理タンス

約30年前義母からの注文で整理タンスを作りずっと使ってもらっていたが、最近体が弱り歩くのも補助が要るようになり、このタンスの引出が重くて困っているとのこと。先日修理に行ってきた。

木工を始めて二三年の頃の作ゆえ、とにかく怖い物知らず。天然乾燥の樺材を使っているので、本体奥行は5mmくらい縮んでいるし、束のホゾは重みに耐えかねて少し抜けている。でも複雑な木目の前板は桂の側板とアリ組しているためか、上下方向の縮みを除けばほとんど問題はなかった。技量に劣る初期作としては、大きな狂いや不具合はなく、マシな方だったと思う。

少し鉋で削ったのは、束下の三段目の引出のみ。あとは引出の側面や底と受桟等が触れ合う部分にイボタ蝋を丹念に塗っただけで軽く動くようになった。

とはいえ今ならこんな注文があったら、重さを考えて断るか、上下分割、もしくは框組で軽量化を狙ったと思う。あの頃は、木のことをよく知らなかったけど、恐ろしいというか、ある意味パワフルだった。そして30年経っても、既製品にはない存在感がある。