2018年4月6日金曜日

古い整理タンス

約30年前義母からの注文で整理タンスを作りずっと使ってもらっていたが、最近体が弱り歩くのも補助が要るようになり、このタンスの引出が重くて困っているとのこと。先日修理に行ってきた。

木工を始めて二三年の頃の作ゆえ、とにかく怖い物知らず。天然乾燥の樺材を使っているので、本体奥行は5mmくらい縮んでいるし、束のホゾは重みに耐えかねて少し抜けている。でも複雑な木目の前板は桂の側板とアリ組しているためか、上下方向の縮みを除けばほとんど問題はなかった。技量に劣る初期作としては、大きな狂いや不具合はなく、マシな方だったと思う。

少し鉋で削ったのは、束下の三段目の引出のみ。あとは引出の側面や底と受桟等が触れ合う部分にイボタ蝋を丹念に塗っただけで軽く動くようになった。

とはいえ今ならこんな注文があったら、重さを考えて断るか、上下分割、もしくは框組で軽量化を狙ったと思う。あの頃は、木のことをよく知らなかったけど、恐ろしいというか、ある意味パワフルだった。そして30年経っても、既製品にはない存在感がある。

2 件のコメント:

  1. ご無沙汰です。
    オーソドックスなデザインながら存在感ある素敵な箪笥ですね。好きです。
    注文家具ならではの良さ、こういったオーソドックスなスタイルは、ユーザーはハリボテで間に合わせ、個人木工屋さんは奇抜なデザインで個性を売る方向に向かいがちにならざるを得ない(わたしもですが……)。作ると基本的なことをたくさん勉強できるんですよね。
    経年変化の確認は大切ですね。以前老齢の建具屋さんとの会話で「最近の大工や建具屋、木工屋は売った後、様子を見に行っとらん。売りっぱなしや。」自身、反省しきり!!

    あらま!月間記事が不定期に!月初は習慣的にアクセスして拝読していたのですが……掲載時には「きまま日記」でお知らせくださいませ!

    2度目の寒の戻り、鼻水ダラダラ、指先ガチガチ!さびぃ〜!

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  2. 写真では細かいアラが見えないですが、いろんなところに結構なスキマができてます。でも、おっしゃる通り、この箪笥の製作を通じて多くのことを学びました。この頃は無心で作っていました。初心に戻ることが大切ですね。

    月刊記事に近づけるよう、できるだけ頑張ります(^^;)。

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